このまとめでは元モンスター社員が受けたパワハラの事例と、対応を書きます。
後半では、個人ができるパワハラ対策をまとめます。
- 休暇の理由をしつこく訊いてくる
- 休日の過ごし方にとやかく言われる
- 友人・家族関係に根堀り葉堀り訊かれる
ぐいぐい来られると困りますよね。
「パワハラでは」と思っても、線引きはあいまいです。
相手との関係性によっては、嫌じゃない内容もあります。
しかし、こうしたプライベートへの干渉はパワハラにあたる可能性があります。
パワハラの6類型でみると、6番目の「個の侵害」です。
- 身体的な攻撃
- 精神的な攻撃
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過小な要求
- 個の侵害
1~4のようなパワハラは、分かりやすいです。
しかし、「個の侵害」はパッと見て何なのか分かりません。
分かりにくいため、無くなりづらい・表面化しずらいパワハラと言えます。
このまとめでは私が個の侵害型のパワハラと判断した事例・対策などをまとめます。
「これパワハラか?」「どう対策しよう?」と迷っている人は、読んでみてください。
パワハラの「個の侵害」とは
1.パワハラの定義
厚生労働省のサイトでは、
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる
①優越的な関係を背景とした言動であって、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
(引用元:ハラスメントの定義)
と定義されています。
つまり、以上を満たしていないならパワハラではないということです。
プライベートへ干渉する行為を、すべてパワハラと判断はできません。
2.個の侵害とは
個の侵害について、厚生労働省では
労働者を職場外でも継続的に監視したり、個人の私物を写真で撮影したりすること、また、上司との面談等で話した性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、本人の了解を得ずに、他の労働者に暴露すること(引用元:ハラスメントの類型と種類)
と説明されています。
上記は行き過ぎた行為ですが、この内容だけが「個の侵害」になる訳ではありません。
例えばAll aboutでは、
- プライベートのことについてあれこれ口出し
- プライベートでの付き合いを強要
- 有給の使い方に口を挟み、理由次第で申請を却下
- プライベートの交際・交友関係を詮索
- 個人のSNSなどを閲覧し、接触してくる
(引用元:個の侵害タイプのパワハラとは?具体的事例と対処法)
といった例も挙げられています。
プライベート干渉はパワハラ
さて、ここからは私が受けたパワハラの事例を紹介します。
- 労働組合の強要
- 会社行事の強要
の2事例です。
プライベートを詮索・口出しするだけでもパワハラです。
労働外の過ごし方を強要する行為も、当然パワハラですね。
理想的な対策ははっきり断ることですが、同調圧力・脅しなどがあります。
断るのはカンタンではありませんが、私は断り切ってきました。
2つの事例を紹介し、個人の時間を奪う要求を断る方法を解説します。
ちなみに、「精神的な攻撃」にあたる暴言を受けた経験も多いです。
これに関しては「すごくムカつく」以外に実害がなかったため、無視していました。
1.労働組合の強要
最初は、1番モメた事例です。
元弊社では、労働組合は強制加入でした。
それはまだ許せるとして、執行委員という雑用係を強制される問題がありました。
雑用など進んでやりたい人はいませんが、同調圧力で誰も断れない状態。
それ自体はパワハラではありませんが、搾取なのは明らかです。
私はこれを断ったところ、
- 業務命令だ(業務ではない)
- 会社にいられなくなる
- 恩知らず
などと上司がキレました。
明らかにパワハラですね。
その後はパワープレイで断り切ったのですが、友だちが減りました。
もう少し詳しい当時のやり取りは、こちらの記事で紹介しています。
ぜひ、読んでみてください。
上司のレベルが低いとモメますが、そんなことはめったにありませんでした。
強い意思さえあれば、労働組合系の雑務はほとんどモメずに断れます。
具体的な対策としては、
- ひたすら帰る・行かない
- 労働時間で対応
- 頼まれたら拒絶
といった動きが有効です。
周囲からの心証など、失うものはあります。
しかし、失う覚悟がない限り、すべてにおいて搾取が続きます。
残業させられ放題、有給余り放題、休日つぶされ放題の日々です。
詳しくは、こちらの記事で書きました。
自由になるヒントがあるはずです。
ぜひ読んでみてください。
2.会社行事の強要
会社に入って間もないときの話です。
そのイベントの開催日は休日で、拘束時間は丸1日。
事前に「歌」の練習も必要なタイプの、面倒なイベントでした。
最初から、
新入社員が参加するもの!
と圧をかけられました。
人にモノを頼む態度ではありません。
「断る」以外の選択肢が、グレーアウトして押せませんでした。
断ったときの上司の反応は
- イヤならお前が代わりを探せ
- 周囲や地域の人への感謝の気持ちがないのか
- 俺の面子をつぶすつもりか
と、1つとしてまともな言い分がありません。
あとで分かったのですが、1.なんて若手に面倒を押し付ける常套句です。
お前が代わりを探せ
と言われると一瞬、
それもそうか…?
となりがち。
でも、よくよく考えるとそんな責任はこちらにないんですよね。
「だれか生け贄を見つけてくる」という使命を、保身のため引き受けたのは相手です。
とはいえ、このときは一旦参加することになってしまいます。
その後どうしたのか、”どうして差し上げた”のかはこの記事で書きました。
ぜひ、読んでみてください。
- ボランティア
- 飲み会
- 資格勉強
- 労働組合の雑用
- サービス残業
わたしはこうした理不尽な要求を、最終的にすべて断れるようになりました。
しかし、最初からまったく折れずに断り続けられた訳ではありません。
最初は、「そういうのが嫌だ」と気持ちをはっきり固めるところから。
実際に断れるようになるまで、少しずつ心を慣らしていきました。
少しずつ自分を慣らして断れるようになる初心者向け対策を、こちらの記事で書きました。
ぜひ、読んでみてください。
個人ができるパワハラ対策
ここからは個人ができる、わたしがやってきたパワハラ対策を紹介します。
わたしは6年間、モンスター社員でした。
「個の侵害」に「精神的な攻撃」、果ては「身体的な攻撃」まで。
色々なパワハラを受けてきました。
そのストレスや怒りにどう向き合うか。
具体的にどう立ち回っていくか。
いろいろ考え試した結果、自分と相性がよかった対策は9つです。
- パワハラをする人の心理を知る
- パワハラをする人に期待しない
- 会社で過ごす時間を減らす
- 会社で承認欲求を満たさない
- 会社への経済的依存を減らす
- きちんと言い返す
- パワハラ後に仕事の手を抜く
- 常に録音しておく
- 仕事を辞める
とくに、1・5・8はぜひ取り入れていただきたいです。
順番に解説していきます。
1.パワハラをする人の心理を知る
まず、パワハラする人の心理を知りましょう。
少し観察すると、
- 相手も不幸になって欲しい
- 自分は正しいと信じたい
- 自分に価値があるか不安
- 相手を舐めている
といった哀れな人間像が見えてきます。
それを理解するだけでも、精神的に優位に立てます。
行動原理が謎でなくなるだけで、パワハラされる恐怖はかなり和らぎます。
5.会社への経済的依存を減らす
上司や先輩に言い返すことができない理由の一部は、
この会社に居られなくなるとマズい
という気持ちです。
会社に居続けないといけない理由は、お金ではないでしょうか?
生活を給料に頼りきっているから、私たちは強い態度に出れないのです。
会社への経済的依存を減らすために、誰でもできることは「貯金」です。
貯金が多いほど、給料がなくなっても生きられる時間が伸びます。
100万、500万、1,000万。
貯金は増えるほどに、精神的な力を与えてくれます。
8.常に録音しておく
パワハラをやめさせるために有効な手段は、録音です。
録音がしっかりと取れたなら、
- 人事など管理部門
- 弁護士
- 労働基準監督署
などに相談しましょう。
事を荒立てる気はない、誰かに相談するつもりもない人もいるでしょう。
それでも、録音はしたほうがいいです。
この先もっとひどいパワハラで我慢できなくなったとき、常に録音中ならすぐ動けます。
録音データがあるという事実はお守りのように、あらゆる場面で心の支えになります。
アプリを使えば、無料で録音できます。
録音中の画面がまったく目立たず、ドロップボックスへデータを送ることもできます。
パワハラする人の心理や、9つの対策についてこちらの記事で詳しくまとめました。
ぜひ、読んでみてください。
パワハラに負けない記事まとめ
1.モンスター社員になる
パワハラを受けて、許せない気持ちが消えない。
復讐心に苛まれる人は多いです。
会社にとって最悪なのは、何でしょうか?
職場の人や物を攻撃すれば、大迷惑でしょう。
でも、それは犯罪です。
パワハラで裁判を起こせば、痛手かもしれません。
でも、裁判には金と時間が必要です。
会社に大きなダメージを与えるカンタンな方法は、モンスター社員になることです。
会社は、あなたに給料として年間数百万を支出しています。
あなたが仕事で生み出す価値がコストを下回れば、会社にとって赤字。
ざっくり考えて、
です。
生み出す価値を減らすなんて、カンタンです。
そして、会社に大きなマイナスをもたらすことができます。
さらに、生み出す価値を減らすことは、自分が楽に過ごすことに他なりません。
モンスター社員としての働き方を極めると、
- 休暇全取得
- 年間残業時間10時間
- 組合活動・飲み会参加数0
といった働き方が可能になります。
モンスター社員になる方法は、こちらでまとめました。
ぜひ、読んでみてください。