こんにちは、ひつじ先輩です。
この記事では、脱サラしたあとにかかる税金・社会保険料について書きます。
脱サラのタイミングを決めるには、脱サラ後の支出を知らなくてはいけません。
支出のうち、分かりにくいのが税金・社会保険料です。
計算を大きく間違うと、脱サラ後にお金が足りなくなるかもしれません。
今回は、
ケース1(脱サラ1年目) | ケース2(脱サラ2年目) | |
給与収入 | 400万円 | 0万円 |
事業収入 | 0万円 | 400万円 |
この2ケースについて、税金・保険料を計算しました。
ケース1は、脱サラ1年目でサラリーマンの収入だけある想定。
ケース2は、脱サラ2年目で個人事業主の収入だけある想定です。
税金・保険料の合計ですが、先に結論を書いてしまうと、
ケース1(脱サラ1年目) | ケース2(脱サラ2年目) | |
給与収入 | 400万円 | 0万円 |
事業収入 | 0万円 | 400万円 |
所得税 | 8.5万円 ※ | 2.7万円 |
住民税 | 18万円 | 6.4万円 |
国民年金 | 19.7万円 | 19.7万円 |
健康保険 | 23.6万円 | 20.9万円 |
合計 | 61.3万円 | 49.7万円 |
月あたり | 5.1万円 | 4.1万円 |
フリーランス1年目の税金が高すぎる!
とよく聞きますが、2年目からもけっこう高いです。
脱サラ1年目と、2年目以降。
自分の場合はいくら払うのか、1度計算してみませんか?
この記事に沿っていけば、カンタンに計算できます。
根拠がはっきりした目標を立てたほうが、副業もより頑張れますよ。
まず、年収400万円の社会人だった人が脱サラ1年目に払う税金・保険料を計算していきます。
2年目以降、事業収入が400万円だったときの計算は、その後で解説します。
脱サラと税金
払うべき税金を、
- 所得税(総合課税)
- 住民税(総合課税)
- 所得税・住民税(分離課税)
の3つに分けて解説します。
支払うタイミングは、脱サラ後なら
- 所得税・・・年1回
- 住民税・・・約3ヶ月に1回
となります。
脱サラ前は、すべて毎月の給料から引かれています。
総合課税が、給与や事業への課税。
つまり、メインの収入にかかる税金です。
分離課税は、ざっくり言うと投資収入など。
投資をしていない場合は関係ありませんし、計算もカンタンです。
①1年目の所得税(総合)
総合課税の所得税は、
- 給与所得
- 事業所得
- 雑所得
これらの所得にかかる税です。
脱サラ1年目については、
- 事業所得・雑所得にかかる所得税・・・稼いだ年の翌年3月に支払い
- 脱サラ前の給与所得にかかる所得税・・・給与天引きで支払い済み
です。
今回は事業収入0円の想定なので、1.の事業所得への課税は0円です。
仮に脱サラして1年目から事業収入があるなら、2年目以降と同じ計算が必要です。
計算方法へは、「事業収入の所得税」からジャンプできます。
2.の給与収入に対する所得税は、年収400万円のケースで8.5万円になります。
以下、計算方法を書いていきます。
支払いが終わっている分なので、不要ならココ(1年目の住民税)までジャンプもできます。
所得税額は、
で計算できます。
実際に、給与による年収が400万円だった人の所得税を計算してみます。
所得金額を計算する
まずは式①、
から所得金額を計算します。
会社員だったので、経費は0。
控除については全員に共通する、
- 基礎控除
- 給与所得控除
- 社会保険料控除
のみ考えます。
すると式①は、
となります。
年収400万円だと、
所得金額=400万円-38万円-134万円-58万円
所得金額=170万円
となります。
所得税を計算する
ここまでで、所得金額が計算できました。
式②、
の税率・控除額は、以下の表で決まります。
所得金額は170万円だったので、「195万円以下」
税率は5%で、控除額は0円です。
なので式②は
所得税=所得金額×税率-控除額
所得税=170万円×5%-0万円
となります。
計算すると、所得税は8.5万円です。
控除金額について
控除については全員に共通する、
- 基礎控除
- 給与所得控除
- 社会保険料控除
を計算しました。
基礎控除は一定で、38万円です。
給与所得控除は、この表によって決まります。
年収400万円だと、
です。
社会保険料控除は、本人が負担した社会保険料に相当する金額になります。
地域や職種によって異なりますが、だいたい誰でも年収の14.4%くらいになります。
です。
②1年目の住民税(総合)
総合課税の住民税も、所得税と同じで、
- 給与所得
- 事業所得
- 雑所得
などにかかってきます。
脱サラ1年目については、昨年の収入から計算された昨年分の住民税を払います。
1年分の住民税は
で計算されますが、所得割がほとんどです。
所得割は
で計算できるため、まずは所得金額を計算します。
所得金額を計算する
所得金額は、
から計算できます。
所得税を計算したときと同じやり方で計算すると、
所得金額=収入金額-基礎控除-給与所得控除-社会保険料控除
所得金額=400万円-33万円-134万円-58万円
所得金額=175万円
となります。
住民税を計算する
でした。
所得割=所得金額×10%
所得割=175万円×10%
なので、所得割は17.5万円。
均等割は市町村によって少し変わりますが、だいたい5,000円。
調整控除は、今回考えません。
よって
住民税=所得割+均等割+調整控除
住民税=17.5万円+0.5万円
住民税=18万円
となります。
脱サラ1年目は、月あたり約1.5万円の負担です。
退職と支払いタイミング
会社員の住民税は、1年分を次の年の6月からさらに翌年5月まで、毎月の給料から引かれます。
表にすると、
所得 発生年 | 支払い開始 | 支払い終了 |
2018年分 | 2019年6月 | 2020年5月 |
2019年分 | 2020年6月 | 2021年5月 |
2020年分 | 2021年6月 | 2022年5月 |
2021年分 | 2022年6月 | 2023年5月 |
です。
仕事を辞めたら、毎月ではなく6月・8月・10月・翌年1月末の4回払いになります。
いずれにせよ、支払うのは常に1~2年前の収入から計算された住民税です。
脱サラで収入が減っていれば、高すぎると感じる金額になってしまいます。
退職のタイミングによっても、いつ支払うかが変わります。
2020年を例に、支払いタイミングを表にしました。
住民税の支払いタイミング | 2018年分 | 2019年分 | 2020年分 |
2020年1月1日~5月31日に退職 | 退職時 一括天引き |
2020年6月 ※ ~2021年1月 |
2021年6月 ~2022年1月 |
2020年6月31日~12月31日に退職 | 給与より 支払い済み |
退職日以降 ※ ~2021年1月 |
2021年6月 ~2022年1月 |
1月1日~5月31日に退職だと、退職時に2018年分が給料天引き。
2019年分も大部分を自分で納付するため、高すぎると感じるかもしれません。
③所得税・住民税(分離)
- 株
- FX
- 投資信託など
これらの収入があると、分離課税の所得税・住民税がかかります。
所得税=所得×15.315%
住民税=所得×5%
なので、
で計算できます。
投資収入から、手数料などの経費を引いた所得が60万円だったとすると、
分離課税の税金=所得×20.315%
分離課税の税金=60万円×20.315%
分離課税の税金≒12.2万円
になります。
脱サラと社会保険料
払うべき社会保険料は、
- 国民年金
- 国民健康保険
です。
支払うタイミングは、脱サラ後なら
- 国民年金・・・毎月
- 国民健康保険・・・毎月
となります。
脱サラ前は、すべて毎月の給料から引かれています。
①1年目の国民年金
脱サラしたら、全員が入ります。
収入関係なく、月々の支払いは16,410円です。(令和元年度)
1年で196,920円、約19.7万円になります。
収入が少ないなら、免除制度もあります。
【全額免除の条件】
前年所得≦(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
【3/4免除の条件】
前年所得≦78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
【半額免除の条件】
前年所得≦118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
【1/4免除の条件】
前年所得≦158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
②1年目の健康保険
脱サラ後は、国民健康保険に入ることになります。
金額は、住んでいる市区町村によって変わります。
国民健康保険計算機が便利です。
自分の地域をえらんでフォームに入力。
脱サラしたあと、バイトなどをするつもりの人は、「給与収入」のところに入力します。
フリーランス・投資の収入は「その他収入」です。
入力が終わったら、「計算する」をクリックで結果が見れます。
- 給与収入400万円
- 東京都、大田区
- 39才以下、独身
- その他収入なし
で計算してみると、
月あたり2.0万円ほどでした。
脱サラ後の税金・保険料
次に、脱サラ2年目で個人事業主としての年収が400万円のケースで、
- 所得税
- 住民税
- 国民年金
- 国民健康保険
を計算していきます。
①所得税
所得税額は、
で計算できます。
所得金額を計算する
まずは式①、
から所得金額を計算します。
経費がどのくらいになるかは人それぞれですが、一般的なサービス業で50%が目安です。
そこでこの記事では、年収400万円のうち200万円が経費だったとします。
控除については全員に共通する、
- 基礎控除
- 社会保険料控除
のみ考えます。
式①より
所得金額=収入金額‐経費-基礎控除‐青色申告特別控除-社会保険料控除
所得金額=400万円-200万円‐38万円‐65万円-43万円
所得金額=54万円
となります。
基礎控除は、38万円。
青色申告特別控除は、65万円です。
社会保険料控除は、
- 国民年金・・・196,920円
- 国民健康保険・・・236,188円 (脱サラ1年目の数値)
で合計約43万円です。
所得税を計算する
ここまでで、所得金額が計算できました。
式②、
の税率・控除額は、以下の表で決まります。
所得金額は54万円だったので、「195万円以下」
税率は5%で、控除額は0円です。
なので式②は
所得税=所得金額×税率-控除額
所得税=54万円×5%-0万円
所得税=2.7万円
となります。
②住民税
住民税は
で計算されます。
まずは所得割を計算するため、
所得金額を計算します。
所得金額を計算する
所得税を計算したときと同じやり方で計算すると、
所得金額=収入金額‐経費-基礎控除‐青色申告特別控除-社会保険料控除
所得金額=400万円-200万円‐33万円‐65万円-43万円
所得金額=59万円
となります。
住民税を計算する
でした。
所得割=所得金額×10%
所得割=59万円×10%
なので、所得割は5.9万円。
均等割は、市町村によって少し変わりますが、だいたい5,000円。
調整控除は、今回考えません。
よって
住民税=所得割+均等割+調整控除
住民税=5.9万円+0.5万円
住民税=6.4万円
となります。
③国民年金
収入関係なく、月々の支払いは16,410円です。(令和元年度)
1年で196,920円、約19.7万円になります。
④国民健康保険
国民健康保険計算機を使います。
- その他収入200万円
- 東京都、大田区
- 39才以下、独身
月1.7万円ほど、という結果でした。
年収400万円の税金等
年収400万円の税金等
まとめです。
サラリーマン・個人事業主のそれぞれで年収400万円に対する税金・保険料を計算しました。
ケース1(脱サラ1年目) | ケース2(脱サラ2年目) | |
給与収入 | 400万円 | 0万円 |
事業収入 | 0万円 | 400万円 |
所得税 | 8.5万円 ※ | 2.7万円 |
住民税 | 18万円 | 6.4万円 |
国民年金 | 19.7万円 | 19.7万円 |
健康保険 | 23.6万円 | 20.9万円 |
合計 | 61.3万円 | 49.7万円 |
月あたり | 5.1万円 | 4.1万円 |
脱サラ直後は月あたり5万円だったのが、2年目には4万円に下がります。
思ったよりも高い印象です。
脱サラ2年目の税金については、経費をどれだけにするかによって大きく変わります。
経費200万円で計算しましたが、仮に100万円にすると少なくとも10万円は税が増えます。
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