こんにちは、ひつじ先輩です。
この記事では、電力社員のわたしが電力会社の志望動機に何を書くべきか解説します。
実際の面接でされた質問についても、一部公開しています。
就職活動に必ず勝つ方法は、ありません。
しかし、内定の可能性は上げられます。
そのために必要なのは、面接官の本音を読み、会社の実情を反映した書類で臨むこと。
この記事では、電力の社風や内情を踏まえた要点を書きます。
もっとも大切なのは、志望度の高さで面接官を安心させることです。
電力会社 志望動機の要点
一言でまとめると、
第一志望です。
電力の安定供給は重要です。
出身地域に貢献したいので貴社です。
がベストアンサー。
志望度が大事
志望度の高さが大事なのは他社でも同じです。
ただし、電力会社では特に重視されるでしょう。
少し、面接官の立場で考えます。
電力会社の評価は減点方式なので、面接官は「内定辞退しない人」を優先して選ぶはずです。
志望度よりも優秀さで採用しても、面接官自身の評価には影響しません。
内定辞退が多かったり、予定した採用数を満たせないと自分が無能判定されるかもしれない。
面接官にとって安全な人=内定辞退しなそうな人、です。
そのため、電力会社では特に志望度を強調するのをおすすめします。
貴社である理由
志望度をアピールするには、その会社でなければいけない理由を述べるのが一番です。
理由は、
出身地域の安定供給に貢献したいから
が鉄板。
それ以外はない、と言っても過言ではありません。
各地域の大手電力は、1社のみ。
地域を理由にすれば、志望度の高さに説得力を持たせられます。
逆に、別の理由を使うのはリスキーでしょう。
大手電力各社の事業は、すべて「電力の安定供給」。
大きな差がないのに、わずかな違いを理由に志望度をアピールしても、説得力は出にくいです。
面接官の立場で考えても、珍しい志望動機の人を採るのはちょっと恐いはず。
たいていの学生の志望動機が、「出身地域に貢献」です。
そこであえて別の理由を挙げてくる人は、もしかしたら「ちょっと変人」かもしれません。
電力会社は同調圧力が強いですので、「ちょっと変人」だとなじめません。
志望動機が変わっているだけで、よほどの説得力がないかぎり
当社に合わないのでは?
という心配が、面接官の中で先行してしまうでしょう。
何がやりたいか
次に志望動機に盛り込みたいのが、
- 何がやりたいか
- 何ができるか
です。
少し、他サイトの例文を見てみます。
私は大学で超高電圧の放電現象と絶縁技術の研究を行っており、貴社のUHV送電技術の開発と実用化に大きな関心を持ちました。UHV技術を国内や海外、特にインフラ整備の需要が高い新興国への展開によって、貴社の収益向上と社会の発展に貢献していきたいと考えます。(引用元:【例文あり】電力業界への志望動機で差をつけよう)
レベルたけぇ
電力会社の人でも、「UHV」と言われてピンと来る人は少ないです。
大学で学んだ内容と業務を結び付けるのは難しいので、無理しなくてOK。
実際にわたしは、
○○分野で、自分の△△な特徴を生かします。
××というよい結果になり、安定供給につながります
といった、ぼんやりした内容で内定しました。
さらに、意識が高いビジョンを詳しく書きすぎるのは、リスキーでもあります。
なぜなら現実問題、最初の配属は技術系(理系)なら肉体労働に近い仕事。
事務系(文系)であっても、ルーチンワークを免れないからです。
詳細な美辞麗句が並んでいたら、面接官は
つまらない仕事でも淡々とやれる人だろうか?
と心配するかも知れません。
やりたいことは、あまり細かく書かなくてOKですが、
具体的にどうするの?
と、掘り下げる質問への回答は用意しておきましょう。
電力会社 自己PRの要点
- 真面目さ
- 体育会系
- コミュニケーション力
- 意識の高さ
アピールすべき性質は、上から3つです。
重要なものから順に説明します。
1.真面目さ
真面目さアピールは、真面目過ぎると思われるくらいやってOKです。
業務の性質上、「まぁ、このくらいでいいかな~」が許されないシーンが多いです。
「最後までやり抜いた」とか「カンペキを目指した」といったエピソードが刺さります。
2.体育会系
年功序列が強く、現場では体力も必要なので、文化は体育会系。
「礼儀・形式を重んじる」「人の恩に報いる」といった性質を匂わせれば好感されるでしょう。
サークル・部活が運動系だったなら、強調すべきです。
そうでない人も、できる範囲で体育会系に寄せましょう。
姑息な手段ですが、わたしは「趣味:ランニング」とか入れました。
3.コミュニケーション力
コミュニケーション力を、
- 客の対応を任せられるコミュ力
- チームワークを乱さないコミュ力
と2つに分けるとするなら、重要なのは後者です。
客と直接関わる仕事があるのは、配電と事務職の一部。
希望する分野がそちらなら、前者のコミュ力も重視されるでしょう。
後者のコミュニケーション力は、どの職場を希望していてもアピールポイントになります。
電力会社では、「和を乱さない」のがとても重視されます。
4.意識の高さ
- イノベーション
- ビジネス
- 収益
といったキーワードを使った自己PR。
就活では、限界まで意識を高めたアピールをするのが定石です。
しかし、電力会社では少しだけトーンダウンしたほうがいいです。
実情として、電力会社は意識が高い人を求めていません。
就活の段階では面接官にウケるかもしれないので、なしではありません。
ただ、面接官の頭のネジが飛んでいないなら「ミスマッチでは」と懸念が先にくるはず。
意識を高めすぎた自己PRは、ハイリスクです。
ちなみに、本当に意識が高い人には、電力会社自体おすすめしません。
現場は、古くからある仕事を素直に確実にこれまで通りやりきる人間を求めています。
電力会社は安定・中収入が欲しい人のための就職先であり、それ以外を期待してはいけません。
電力会社の面接・質問
私が受けた面接について、質問や回答を書きます。
最終面接の記録はありません。
一次面接での質問
- あなたの長所・短所はなんですか?
- 大学では、電気の勉強をしましたか?
- ストレス耐性はありますか?
- 体力はありますか?
- サークルでは、どんな立ち位置でしたか?
- 地元に戻りたいと思った理由は何ですか?
- 原発についてどう思いますか?
原発についての質問は、踏み絵です。
不自然なほど肯定する必要はありませんが、否定してはいけません。
リクルーター面接
1対1での面接でした。
雑談では、親の介護の話など、地元帰りたいアピールをしておきました。
他にどんな企業を受けていますか?
インフラ系メインです。
地元に帰れるのは御社だけです。
情報システムにかかわる仕事はありますか?
他部署からの転勤が主になります。
各部署にシステム構築の仕事があります。
内定するためのアドバイスをいただきたいです。
「情報システムやりたい」を押してはダメです。
「電力の安定供給を支えたい」と話してください。
「将来的には情報システムも」は言ってOK。
原子力や、発送電分離などのキーワードを勉強しておいてください。
内定の連絡
わたしのときは、電話で来ました。
他の選考は辞退するように
と、オワハラもしっかりセットでいただきました。
オワハラを受けたとしても、無視してかまいません。
電力会社側からは、他社の選考状況は調べようがありません。
内定式には居たのに、入社式には居なかった人が何人かいました。
こっそり、就職活動を続けていたのでしょう。
電力会社に就職しようとしている人には、以下の記事がおすすめです。
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