こんにちは、ひつじ先輩です。
数年前、電力会社に技術職として採用されました。
会社を辞めたい私が、電力会社に就職するメリット・デメリットについて書きます。
後半では、
- 電力会社は勝ち組なのか?
- 電力会社の就職難易度
- 電力を辞めたい人向けの話
についても書いていきます。
実際に働いてみないと分からない、電力社員ならではの情報を暴露していきます。
電力会社への就職や転職を考えている人、特に理系の人には必ず役に立つ内容です。
入ってみてがっかり
なんてことにならないよう、ぜひ読んでいってください。
メリット1:ぼちぼち高い給与
大学院卒なら、数年で年収400万はいくでしょう。
- 山岳地帯、騒音環境、高所等の勤務がある
- 当直、宿直などに入った
- やたら残業・休日出勤が多い
などの条件であれば500万超えもあります。
わたしの給料は、こちらで公開してます。
平均からは分からない、電力会社若手のリアルな数字です。
メリット2:労働基準法がまぁ守られる
残業代について
支給は行われますが、適切に記録させてくれないブラックな職場もあります。
そういう職場では何か理由をこじつけて
~~の場合、残業時間をつけるな
といった指示、もしくは無言の圧力があります。
大きく損する場合はたいてい、本人が残業代をどうでもいいと思っているケースです。
ちゃんと対価を受け取る姿勢であれば、サービス残業は20時間を超えないでしょう。
休暇について
職場にもよりますが、全く使えないことは少ないようです。
有給制度が完全に飾りになっている職場は、自分が経験した中にはありませんでした。
しかし、休暇を取っているだけで
昔はそうじゃなかった
といった説教をかます年寄りは大抵います。
昼休みについて
ほとんど、ちゃんと取れます。
ひどい職場でも大抵30分程度はとれていました。
全くとれない会社もあると考えれば、悪くないです。
メリット3:仕事内容
創造性がいらない仕事内容
「前例と同じ」を重視する文化です。
そもそも前例のない仕事には、ほとんど出くわしません。
創造性の発揮に興味がないなら、オススメできる仕事です。
まちがい探しが仕事
技術職の業務内容には、
- 書類作成
- 機器の見回り
- 工事管理
などがあります。
これらはすべてまちがい探しです。
書類作成は、前例と今回のまちがい探しです。
機器の見回りであれば、機器の故障を探すまちがい探しです。
工事管理ですら、施工の状態や方法がマニュアル通りか確認するまちがい探しです。
まちがい探しが仕事であるメリットは、失敗しても
気づかなかった!
で済むので、手を抜きやすいことです。
メリット4:学歴・年功序列による評価
かつてよいとされていた評価の尺度が、いまだに重視されています。
減点方式で評価されるため、学歴があって大きなミスをしなければ出世します。
とにかくミスをしない、もっと言えば他の人と違う行動・言動をしないのが大切です。
学歴があって、やる気や能力がない人にとっては悪くない寄生先だと言えます。
メリット5:世間体がまぁよい
原発の問題以降、電力会社の地位は低下しましたが、それを普段感じることはありません。
親族は喜びますし、人に言えばお世辞かもしれませんが
いいところで働いているんですね
とか言っていただけます。
マジメでちゃんとした人だ
という印象を他者に与えられる肩書きです。
実際はろくな仕事をしてないので、だましているような気持ちになります。
働く側から見た電力会社の魅力については、別で記事を書きました。
ぜひ、読んでみてください。
メリット6:安定感はまだある
発送電分離によって、発電会社と送電会社に分かれました。
今後は分かりませんが、これがすぐに給料に影響することはありません。
しかし、発電会社は新電力に顧客を奪われて採算が悪化するでしょう。
すでに顧客は離れはじめています。
地域との結びつきを重視!
などと屁理屈をこねたところで結局、顧客は安い方へ流れつづけます。
追い詰められれば、給料を下げたり、収益性の悪い設備の売却に伴ってリストラもありえます。
ただ、旧来の電力会社は、火力発電所や水力発電所のいい立地を確保しています。
いい立地の設備について言えば安く電気が作れるため、つぶれることはないでしょう。
送電会社については、今後も独占的な態勢が続くので安定です。
電力会社と発送電分離については、記事を書きました。
ぜひ、読んでみてください。
デメリット1:業務内容が3K
入社して数年は、技術職の人は現場で仕事をします。
現場の仕事は、きつく、汚く、危険です。(3K)
1:きつさ
まず、暑さ、寒さがあります。
また、歩きっぱなしや重い物の運搬も大変ですし、早朝・深夜の仕事もあります。
2:汚さ
油や腐った水、カビ、サビ。
大量の虫に、ネズミ、鳥などがあります。
3:危険
電気を扱う仕事なので、感電のおそれがあります。
高電圧に感電すれば、まず助かりません。
他にも、重い物・機械による挟まれ・巻き込まれ。
高所からの転落、交通事故など、数年は危険の中で過ごすことになります。
電力会社のブラックな職場の1つに、水力系があります。
高学歴でも院卒でも、容赦なく配属されます。
現場の厳しい環境について、記事を書きました。
ぜひ、読んでみてください。
デメリット2:業務がつまらない
メリットのところで「まちがい探しが仕事」と書きました。
これは確かにラクですが、つまらないです。
この仕事に「成功」はありません。
「普通」か「失敗」しかなく、「失敗」を出さないようにするだけの仕事です。
電力会社は職場によって、給料も仕事内容も変わってきます。
それぞれの違いについては、こちらの記事で書きました。
ぜひ、読んでみてください。
デメリット3:年功序列・学歴による評価
メリットのところでも書いたことですが、やる気や能力がある人にとってデメリットです。
他者より頑張っても、基本的には振られる仕事が増えるだけです。
長期的には、よほど優秀で高学歴なら早めに現場を離れて本社転勤。
それでもその頑張りが給料に反映され始めるのに、10年程度かかります。
現場を離れる分、危険手当などが減って給料が減る可能性すらあります。
学歴があっても、やる気や能力が本当にある人から順に転職していきます。
技術職で高卒の場合は、大卒よりもはるかに低い給料で一生現場がほとんど。
能力が高ければ、現場系職場の管理職になれます。
電力会社の中間管理職、副長については記事を書きました。
ぜひ、読んでみてください。
デメリット4:スキルが伸びない
創造性
人と違うことをして給料が上がる制度ではありません。
よって、自分なりの創意工夫をする理由がありませんし、機会もありません。
上司は、誰かがが新しいことを言い出すと、
じゃあキミが勝手にやってね
責任はとりたくないからダメ出しだけするよ
というスタンスです。
余計なことを言うと仕事が増えるだけ
と、若者もすぐに気がつきます。
前例を真似るだけの毎日で、どんどん頭が固くなっていきます。
効率性
他業界の人々は、少しでも安く質の高い仕事をしようと努力しています。
電力会社の人間は、予算を使いきること、今まで通りの質の仕事をすることしか考えません。
もっと工夫してよくしよう
という、意欲も発想も能力もどんどん失われていきます。
営業力
顧客と関わる機会は少ないです。
- 何かを買わせる
- ニーズをくみ取る
といった業務はめったにありません。
社外の人間と関わる場合はたいてい工事の発注など、自分たちが客の立場。
ビジネスマナーすら、新人研修でかじっただけの人間ばかりです。
デメリット5:転職できない
マニュアルがすべてなので、社内ルールにどんどん詳しくなっていくだけの人生になります。
社内でしか役に立たないスキルしか身につかないので、転職はカンタンではありません。
ただ、工事発注・施工管理の仕事は例外で、その経験は他社から重宝されるようです。
電力会社からの転職を考えるなら、資格勉強をおすすめします。
技術系であれば、第二新卒扱いの間に電験二種。
できれば一種をとりましょう。
電験一種の威力はすさまじく、他社からは管理職クラスの待遇で迎えられます。
実際にわたしの同期も2人、電力会社から転職して年収がハネ上がっています。
まずは三種、という場合は通信講座を活用してサクっと取得しましょう。
講座はこちらに10件まとまっているので、自分に合うものが見つかるはずです。
電力会社へ就職は勝ち組か
まったり高給を勝ち組とするなら、田舎では勝ち組だと言えます。
田舎企業の中では、給料は高い方。
残業代も出て、休暇も全然とれないことはありません。
そんな当たり前すら、手に入らない会社はたくさんあります。
都会では勝ち組ではない
電力会社が勝ち組なのは、田舎でだけです。
地方においては高給取りですが、東京・大阪で言えば普通くらい。
決して、勝ち組とは言えません。
そもそも田舎住み、ともすれば山暮らし。
その時点で、勝ち組だとは言いづらいですね。
山暮らしの壮絶さについては、記事を書きました。
水力は、とてもつらいです。
まったりじゃない
技術職であれば、大卒・院卒であっても3K。
- きつい
- 汚い
- 危険
を少なくとも数年、味わうことになります。
さらに、基本的に残業代はでますが、残業は少なくありません。
説明会などでは、社員がいまだに
月20時間くらいです。
などと嘘をついて回っているでしょうが、事実は違います。
マジメに仕事をこなそうとすれば、月45時間は残業が積み上がります。
職場によっては、月60時間を超えるのも普通です。
理系であれば、設備トラブルで残業時間が爆増。
文系ならば、決算期やイベントで残業時間が爆増。
文理問わず、残業についてはまったりと言える環境ではありません。
スキルが伸びない
特に伸びない、伸びないどころか下がっていく能力が、
- 創造性
- 効率性
- 営業力
です。
100歩ゆずって、電力会社がまったり高給だとしましょう。
そうだとしても、間違い探ししかできないマニュアル人間は果たして勝ち組でしょうか。
私は、
- 意味・成果がある仕事をしている人
- 会社を離れても役立つ能力を伸ばしている人
に対して、年を重ねるごとに強い劣等感を持つようになっています。
スキルが伸びにくい環境である原因は、仕事内容・社風です。
最近、電力会社を退職しましたので、辞めた理由をまとめました。
電力会社に入ったのは後悔していませんが、長く勤務しすぎたのは後悔しています。
電力会社の就職難易度
大卒・院卒の採用倍率
わたし(理系院卒、技術職)が採用されたときには、
- 適性検査で全体の9割にお祈り
- 面接で残りの半分にお祈り
していると、採用担当から聞きました。
この数字から計算すると、倍率は約20倍です。
大卒・院卒の学歴
求められる学歴は、
- 理系:偏差値50ちょい以上の大学
- 文系:理系よりちょっと高学歴、有名私立大学もよくいる
といったところ。
学歴・偏差値よりも、地元出身かどうかが重視されるようです。
内定者の顔ぶれをみると分かります。
たまに文系にいる低学歴は、きっとコネ入社。
電力会社の志望動機の書き方・面接でされた質問については、こちらの記事で書きました。
ぜひ、読んでみてください。
電力会社を辞めたい
この記事を読んでいる人の中にはきっと、会社を辞めたい電力社員の人がいるでしょう。
この章は、そういう人に向けて書きます。
会社を辞めたい!
と思ったときに、真っ先に思いつくのは転職。
電験をとって電力会社から転職、それもありです。
でも、それは本当に解決になるのでしょうか?
電力会社はブラックではない
この記事で、電力会社のメリット・デメリットについて振り返ってきました。
それな!
マジ電力は終わってるわw
と思った人もいるでしょう。
でも、電力会社はブラック企業だと言えるでしょうか?
部署によっては、明らかにブラックなところもあるかもしれません。
しかし、会社をひどく憎んでいるわたしの記事ですら
電力会社はブラック企業である
と断ずるには至らないのです。
みなさんの職場を考えてみてください。
- パワハラ(身体面ふくむ)・セクハラ
- 月100時間を超えるような残業
- 生活できないような給料
- 休みがまったくない
に当てはまるブラックな職場は、ほとんどないと思います。
転職は解決になるか
別にブラックじゃない電力会社なのに、それでも辞めたいのはなぜでしょうか?
色々あると思いますが、
- 人間関係が嫌
- 仕事にムダが多い
- 先行きが分からない
あたりが理由なら、悪いのは電力会社でも電力業界でもありません。
なぜならここにあげた3つには、どこでも多少は当てはまるからです。
組織である時点で、人間関係は避けられません。
完ぺきなマニュアルは存在しないので、ムダも避けられません。
どんな会社であれ、先のことなど分かりません。
辞めたい理由が上記の3つである場合、転職は解決になりません。
他の会社でも同じ苦しみを味わう可能性は、かなりあります。
あなたの職場がホワイトなのなら、転職はむしろ状況を悪化させるでしょう。
辞めたいのは「会社」
- 人間関係
- ムダな仕事
- 先行き
などが辞めたい理由だからといって、
どこの会社も同じ!
甘えんな!
などと言うつもりは、まったくありません。
わたし自身、人間関係やムダばかりの仕事に毎日苦しんでいました。
言いたいのは、
ということです。
ブラックじゃないけど、電力会社を辞めたい
のなら、そもそも会社勤めに向いてないです。
わたし自身も電力を辞めたいですが、会社に向いてないので転職活動はしていません。
副業をしながら、脱サラを目指しています。
いやいや、絶対リスク高いでしょ
と思うかもしれません。
確かに、リスクはあります。
でも向いてないことに一生耐えるよりは、脱サラを目指すほうがマシです。
資産や副業を育ててから独立すれば、リスクも抑えられます。
電力会社に入る難易度は、低くはありません。
大卒なら、それなりの大学は出ています。
高卒なら、各学校のトップクラスの成績だった人ばかりです。
なんであれ、何かをやりきるガッツと地頭があるはずなのです。
脱サラを目指して成功する確率も、高いはずです。
試して人生を変えられるんだったら、試す価値はあります。
会社員がつらい人は、転職ではなく脱サラを目指すべきです。
副業禁止でも資産運用はできますし、実は副業もできます。
仕事中にできることも、結構あったりします。
仕事を辞めて、どうやって生きてるのか。
セミリタイア後の収入についても、記事を書きました。
こちらの記事もぜひ、読んでみてください。
はじめましていつも楽しく拝見してます。
現在転職活動中で電力会社でかいからのIT部門で選考が進んでます。
IT部門って待遇や残業時間などどうなのでしょうか?
IT部門については経験がありませんので、あまり情報がないです。
ご了承ください。
まず待遇面ですが、当ブログで書いているような危険・汚いことはないでしょう。
IT部門の方を現場で見かけることはありません。
給与は同年代の全国平均よりは少し高い水準が期待できます。
社内のITシステムは総じて古いですので、技術的におもしろい・スキルアップできる仕事は少ないでしょう。
システムの発注者としてのお仕事になるでしょうから、残業時間についてはプロジェクト次第です。
(現場の工事系と同じとするならば)
基本的には、法律の縛りである月45時間以下に収めることは求められるでしょう。
結果、月間20~60時間の間に収まってくるものと思われます。
明確なお答えができず、申し訳ありません。
あなたがうちの社員でないことを望みます
一村一矢といいます。
ひつじさんと違い、電力会社を卒業した人間です。事務系ですが原子力勤務が長かったです。
最近感染症のせいで、安定した良い会社とみなさん勘違いしているのか、就職希望が激増のようです。「他人に厳しく、自分に徹底的に甘い上司。」「強いものに徹底的に弱く、弱いものは虫けら扱い」。こんな企業体質をお伝えしないと、不幸になる方が増えると思っています。これからいろいろとやっていきます。応援願います。
コメントありがとうございます!
就職希望が激増ですか…
まぁ環境が変化してもなくならない仕事って意味では、ありなのかもですね汗
安定のためなら踏みつけにされても結構!というタフガイにはおすすめできます笑
お互い頑張って参りましょう!