賭け事師の誤信について

数で考えるアタマになる!数学オンチの治し方(ジャン・アレン・パウロス)を読んだので一番勉強になった項を紹介します。

 

ルーレットで、赤が5連続で出たあと、さすがに次は黒が出るだろうと思ってしまう。

これがどうして間違っているか。

どうしてこう思ってしまうのか。

という話です。

賭け事師の誤信

ピーターとポールが毎日1回コインを投げる。

毎日表裏を記録していき、ある日までに表の出た回数の方が多ければピーターの勝ち。

ある日までに裏の出た回数が多ければポールの勝ちとする。

 

この勝負は五分五分の勝負であり、ある時点で、どちらが勝っている確率も同じである。

しかし、例えば1000回投げ終えた時点でピーターが勝っていたとすると、ピーターは過去のどの時点においてもたいてい勝っていただろうということが言えるのである。(逆も同じ)

 

これが直感的に受け入れがたく、

「五分五分の勝負なら両者の勝っている時期は同じくらいあるはずでは」

と感じるのは平均からのズレを意識するからである。

 

平均からずれるほど、平均へ引き戻そうとする力が働くような気がする。

これが賭け事師の誤信という間違った思い込みである。

 

思い込みの原因

これはコインを投げる回数が増えるほど表(または裏)がでた割合が1/2に近づくという事実を間違って理解していることである。

これ自体は事実であり、間違っていない。

 

実際にExcelの乱数を用いて表がでた割合のグラフを書いてみたが、確かに1000、2000…と試行回数が増えるほど、50%(1/2)に近づいていく。

gf

しかし、比率が1/2に近づくというのはあくまで比率について述べているに過ぎない。

直感的には表が出た回数と裏が出た回数の差は、比率が1/2に近づくに従って小さくなると思われる。

 

しかし実際は、差には試行回数の増加に伴って大きくなる傾向がある。

先ほどと同じデータについて今度は表が出た回数と裏が出た回数の差を計算しグラフにしてみた。

差が確かに増加傾向にあることが分かる。

gf2

差は大きくなっているが、比率を計算する際の分母になる試行回数がそれ以上に大きくなるため、比率としては1/2に近づいていく、というのがここで起こっていることである。

この事実を知らないことが賭け事師の誤認を生む原因である。

今回のデータの場合、1000回目以降の試行において、あと9000日勝負し続けたとしてもポールが勝つ日は一度も来ないのである。

 

 

 

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