「モンスター社員の教科書」を作りました!

「影響力の武器」をカンタンに要約。心理テクから身を守る方法

あざとい
当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

こんにちは、ひつじ先輩です。

「影響力の武器」という心理学の本を、要約していきます。

 

人をだますテクニック・人間の心の仕組みが書かれた、有名な本です。

結構長い本なので、全部読むのはちょっと気合がいるかもしれません。

 

かといって、こうしたテクニックを知らないと

  • 不要なモノを買う
  • 他人に利用される

といったリスクから身を守れません。

 

「だます」と言うと大げさですが、「ちょっとした工夫」はよく見かける身近なものです。

本の要点だけでも知っておくと、搾取への守りが固くなりますよ。

影響力の武器 要約

 

人間は、生活をする上で多くの判断を下しています。

1つ1つの判断を全力で(完全な情報収集の上)していたら、時間がかかるし疲れます。

 

このコストを避けるために、人間はたいていの判断を一部の情報だけによって下しています。

そうすると時間や労力が省けますが、判断を間違いやすく・だまされやすくなります。

 

イントロダクション

高いものは高品質?

たとえば、人間は値段が高ければ質がいいと判断しがちです。

たいていは、この判断で正解となります。

 

深く考えずに正しい判断ができてラクですが、同時にだまされるリスクを負ってしまいます。

この判断基準を逆手に、質が悪い商品の値段をあえて高くする売り手もいるからです。

 

理由があれば納得?

また、人間は理由があるだけで説得されやすくなります。

 

コピーをとっている人に「先にコピーをとらせてくれませんか」と頼む実験があります。

 

  1. 「急いでいるので、コピーをとらせてくれませんか」
  2. 「コピーを取らなければならないので、コピーをとらせてくれませんか」

 

コピー機を譲ってくれる確率は、どちらの頼み方もほぼ同じになります。

2はよく読むと、全然理由になってないにも関わらずです。

 

これはコピー機をゆずる判断を、「理由があるかどうか」だけで決めているためです。

 

1.返報性

人間には「恩を返したい」思いがあります。

その思いを利用するのが、「先に小さな恩を売る」テクニックです。

 

先に恩を売ると、相手はこちらの提案を断りにくくなります。

 

たとえば、人にモノを買ってもらいたい場合。

ジュースなど安いものでも、先におごっておくと成功率が上がります。

 

また、「こちらが先にゆずること」も恩になります。

 

まず大きめの要求をして、拒否させる。

それから本命の要求をするのも、返報性を利用したテクニックです。

 

最初の要求を断らせることで、相手は「1番目の要求を断ったが、許してもらった」状態に。

これも小さな恩として機能するので、2番目の本命の要求を断りにくくなります。

 

返報性を用いたテクニックへの対策は、相手の意図に気付くことです。

相手が要求を通すために恩を売っていると気付けば、返す必要はなくなります。

 

ジュースはおいしくいただき、相手の要求は拒絶しましょう。

 

2.一貫性

人間には、

  • 一貫性を持った判断や思考をしたい
  • 他者から一貫性があると思われたい

性質があります。

また、方針を決めて同じ判断をくり返せば、考えるコストも省けます。

 

この一貫性を利用して、人間の行動や意見をコントロールできます。

相手に立場を決めさせれば、一貫性によってその立場とちがう行動ができなくなります。

 

具体的には、

  1. 言わせる
  2. 聞かせる
  3. やらせる

といった「コミットメント」を引き出します。

 

コミットメントとは、ある立場を示す行動・言葉です。

 

1.言わせる

たとえば、人をカラオケに誘うケース。

 

いきなり誘うのではなく、

くま

カラオケは好きですか?

いぬ

好きです。

といった会話をします。

 

その上で誘うだけで、相手は断りにくくなります。

「カラオケが好き」なのに「断る」と一貫性が失われるからです。

 

  • 「パソコンが得意」と言わせてパソコン仕事を頼む
  • 「暴飲暴食をやめます」と宣言してダイエットする

など、応用が効きます。

 

2.聞かせる

あなたは◯◯な人ですね

と聞かせることも、行動を変えます。

 

いい人ですね

と言われ続けた人は、いい人らしい行動をとります。

 

3.やらせる

かつての中国が、アメリカ人の捕虜に対して行った戦略。

捕虜を親中的にさせるため、次のようなことを行いました。

 

①書かせる

中国が最初に行ったのは、捕虜に「アメリカの欠点は何か」書かせることでした。

 

書かせるのは効果的です。

証拠が残りますし、書き手はそれを読む他者を意識します。

 

②表明させる

中国が次に行ったのは、捕虜に「アメリカの欠点は何か」討論させることでした。

 

他者に対し、親中的な立場を表明させる。

これを続けさせると、捕虜の自己に対するイメージが「反アメリカ的」になっていきます。

 

③意思を尊重する

中国が最後に行ったのは、エッセイ大会を開くことでした。

 

  • テーマ自由
  • ひかえめな賞品

の大会にすることで、本人の自由を尊重します。

 

しかし、これまでの取り組みにより、捕虜たちには反アメリカ的自己イメージがあります。

結果的として、捕虜たちは反アメリカ的エッセイを自分の意志で書くことになりました。

 

一貫性を利用して他者をコントロールするポイントは、小さなことから行動させることです。

 

ローボールテクニック

一貫性を営業で使うテクニックを紹介します。

 

ローボールテクニックは、

  1. 好条件を提示し、イエスと言わせる
  2. その条件で購入の手続きをさせる
  3. よい条件を取り下げる

というテクニックです。

 

良い条件を取り下げるとキャンセルになりそうですが、意外にそうはなりません。

それは購入手続きをしている間に、客は自分を肯定する理由を見つけてしまっているからです。

 

例えば車だったら、

  • 買いかえ時だった
  • 燃費がいい
  • 乗れる人数がふえる

など。

 

申し訳ありません。
値段が間違っておりました…

などとよい条件を取り下げても、客はすでに買う理由をたくさん思いついてしまっています。

また、これまで前向きだった言動・行動による一貫性も働き、キャンセルになりにくいです。

 

このテクニックのカモにされそうと思ったときは、一旦立ち止まって自問しましょう。

「今でた条件を知ったまま時間を戻れたら、どう判断するか

もう一度考えます。

 

3.好意

ホームパーティ商法は、先に買った個人の家でパーティをして商品を売ります。

これは、友だち同士の好意をうまく利用しています。

友人のオススメであれば断りにくく、買いやすいのです。

 

人間は好意をもつと、相手の言うことを聞きやすくなります。

なので、好意をテクニックとして使う人は、短い時間で好かれる工夫をしています。

 

  1. ルックス
  2. 共通点
  3. 好意の表明
  4. 仲間アピール

などが代表的です。

 

1.ルックス

あらゆる場面で、ルックスがよい人は有利です。

 

人間は、外見がよい人の能力を高いと思いこみやすいです。

さらに、能力が高いと感じた相手の言葉には従順になります。

 

アメリカとカナダで行われた調査では、外見がよい人は給料が平均13%高いです。

裁判ですら、外見がよい人は刑が軽くなる傾向があります。

 

ひつじ
ひつじ

イケメンしゅごい

 

2.共通点

人間は、自分と似ている人を好みやすいです。

好意を利用する人は、自分と相手が似ていると思わせようとしてきます。

 

  • 意見
  • 人柄
  • 経歴
  • ライフスタイル

など、共通点を探してくるのです。

 

ひつじ
ひつじ

自分と相手の名前が似ているだけで断りにくくなる、という研究結果も

 

3.好意の表明

ギネスブックにのっている世界一の営業マンは毎月、

あなたが好きです

と書かれたカードを客を送っていました。

 

あからさまなお世辞でも、効果はあります。

人間は、想像以上にお世辞をカンタンに信じます。

 

4.仲間アピール

「仲間」だと思われると、言うことを聞きやすくなります。

 

営業マンがよく使う、

  • お互いトクをする
  • 上司と値引き交渉する

などは、仲間アピールを使ったテクニックです。

 

好意への対策

好意を用いた心理テクニックへの対策は、早くて強い好意に気をつけること。

 

普段よりも早く、あるいは強く好意を感じたら警戒します。

相手がこちらをコントロールしようとしていても、嫌いになる必要はありません。

 

ただ、相手の言い分と相手への好意はしっかり分けて考えるようにします。

 

4.社会的証明の原理

他人が正しいと思うかどうかで、物事を判断してしまう習性です。

 

テレビ番組にニセモノの笑い声がついているのは、

ひつじ
ひつじ

笑っている人がいる。
笑うのがフツーなのだ

と思わせるためです。

 

  • はじめからお金が入っている募金箱
  • 「一番売れてます」と書いたシール
  • わざと行列を作らせるレストラン

これらはすべて、社会的証明を利用しようとしています。

 

5.権威

経営者・裁判官・政治家など、権威がある人に従うのは得なことが多いです。

だから人間は、「権威がある」と思った相手の命令や行動に従ってしまいがちです。

 

たとえばタレントが

このクツはいい

と言えば、ファンも買いはじめます。

 

権威がなくても、権威があると思いこませる要素は以下の2つ。

  1. 肩書き
  2. 身だしなみ

 

1.肩書き

同じ人物に、大学のクラスで自己紹介をしてもらう実験について。

  • クラスによって、自己紹介での肩書を変える
  • その後、学生たちに人物の身長を予想してもらう

という実験です。

 

  • 「学生」として自己紹介したケース
  • 「教授」として自己紹介したケース

では、予想された身長に6センチも差がありました。

 

肩書は人の印象を大きく変えます。

 

肩書きに圧倒されそうになったときの対策は、

  1. 本当に資格がある人なのか確認
  2. その資格は今、関係あるのか確認

の2つです。

 

2.身だしなみ

同じ人物の服装を変えて、信号無視をさせる実験について。

スーツ・作業着の2つの服装で、真似して信号無視する人の数を比べました。

 

スーツのときの方が3.5倍、多くの人がついていきます。

多くの人が真似してしまうのは、スーツを着ている方が権威があると感じてしまうためです。

 

6.希少性

ガラクタであっても、「レア物」だと高値で取引されます。

希少性の持つ力です。

 

手に入れるのが難しい=良いもの

という思い込みが人間にはあります。

 

たとえば、

数量限定!

という売り文句。

 

たとえば、

多分在庫がありません。探してきます。

からの

1つだけありました!

といったやりとりが、希少性を利用したテクニックです。

 

心理的リアクタンス理論

自由がなくなったとき、その自由(物やサービス)の価値は上がります。

 

たとえば、赤ちゃんによく似たおもちゃを2つ見せます。

  • 片方はそのまま置く
  • 片方をガラスの向こうに置く

とした場合、同じおもちゃでも手に入りにくい方を欲しがります。

 

また、人間は禁じられた情報を正しいと思ってしまいます。

○○は禁止!

と決まると、○○を応援する意見が出てくる理由の1つです。

 

競争性

クッキーの入った2つのビンを人に見せる実験について。

  • 10個入っているビン
  • 2個入っているビン

ならば、人は2個しかないクッキーの方を欲しがります。

 

さらに状況の説明として

  • ミスで2個しか用意できませんでした
  • 他の人が食べてしまいました

と2パターンを聞かせたところ、後者を言われたときの方がクッキーを欲しがりました。

 

競争相手がいたほうが欲しいと感じるのです。

 

バーゲンセールで不要なモノまで買ってしまうのも、競争性のためです。

迷っている客には、別の買い手の存在を匂わせるのが有効です。

 

希少性への対策

希少性・競争性を組み合わせたテクニックへの対策は、

  1. 希少性・競争性による興奮を自覚する
  2. なぜ、それが欲しいのか考える
  3. 払ってもいい値段を考える

の3ステップです。

 

「なぜ」と考えることで、払ってもいい値段が見えてきます。

 

 

タイトルとURLをコピーしました